ジャーナル

2020/04/30 09:14

ストア店長の林口砂里と申します。皆さま、当オンラインストアをご訪問いただき、また「ジャーナル」を開いていただき、ありがとうございます。

 

私たち「水と匠」(一般社団法人 富山県西部観光社)は、地域のさまざまな方たちと協働して観光地域づくりを行う団体です(20204月現在DMO候補法人)。富山県の企業人たちが「地域のより良い未来」を目指し、行政とも連携して、2019年に立ち上がりました。

 

「観光」と名前がついていますが、私たちの目的は「地域の価値を伝えること」です。日本の地域にまだわずかに残る文化や風土・風習、先祖から受け継いできた手わざの多くを私たちは捨ててきてしまいましたが、人が幸せに生きるために本当はとても大切なものなのではないか、と思っています。

 

富山ではそれを「土徳(どとく)」と呼びます。その土地土地の自然風土からいただく恵みに感謝しながら、それらと調和した暮らしを営む。その価値を今一度見つめ直す時に来ているのではないかと思っているのです。

 

ところが、富山に残るそうした価値を伝えるため取り組んできた「観光ツアー」などが、新型コロナウイルスの影響が拡大する中、全てストップしてしまいました。

 

そんな中、会員の事業者さんとお話をしていたら、「魚は獲れているけど売り先が減っているから加工品に回さざるを得ない」、「お米や野菜の出荷先のお店が休業している」、「デパートやギャラリーが閉まっていて、売り場や展覧会がなくなってしまった」という声を耳にしました。

 

そうであれば、富山の品ものを販売することで、少しでも皆さんの助けになり、私たちにとっても新しい事業展開になるオンラインストアを立ち上げることが、今できることではないかと考えました。

皆さん、「三方よし」という言葉をご存知ですか?「売り手よし、買い手よし、世間よし」という、商売に対する考え方です。浄土真宗門徒の多かった近江商人が、出家して修行できる身ではないけれど、せめてお客様や社会にとって良い商売をしよう、というのが始まりで、伊藤忠商事やカルピスなどの企業に代表される日本的なビジネスのやり方です。SDGsやエシカル、と言葉は違えど、日本はずっとサステイナブルなビジネスをしてきていたのですね。

 

21世紀の今、私たちが目指すのは「五方よし」です。三方よしにさらに「作り手よし」「未来よし」を加えたもの。今回で言うと、売り先や展覧会がなくなった地元の職人さんや作家さん、生産者さんのものを売り(作り手よし)、それらが外出を制限されている人たちの家での暮らしを豊かにし(買い手よし)、経済が廻り(世間よし)、私たちも事業を継続でき(売り手よし)、そして手わざや文化が未来につながる(未来よし)。ポスト資本主義の世界がそうなることも願いながら、まずは本日、小さな一歩を踏み出してみようと思います。

 

繰り返しになりますが、「水と匠」のミッションは富山の価値を伝えること。富山の自然や伝統文化、人々の手から生み出される「もの」を通しても、きっとそれを伝えられるはず。そして、この状況を乗り越えたら、皆さんにまた富山に来ていただけることを願ってやみません。

 

思い立ってから3週間、たくさんの方にご協力いただいて本日のオープンを迎えることができました。ありがとうございます。少しづつ扱うお品も増やしていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

 

「水と匠」オンラインストア店長

林口砂里

 

*「水と匠」公式サイトでは、豊かな水と匠の技を巡る「富山の物語」をご紹介しています。併せてお読みいただけたら幸いです。

https://mizutotakumi.jp