富山の自然と作り手

2020/05/18 01:05

「天然のいけす」と言われる魚の宝庫・富山湾。氷見は越中式定置網漁発祥の地と言われ、その漁法が始まったのは天正年間(1573年〜1592年)、400年も前のことです。氷見の定置網漁といえば「ぶり」。1595年、京都にいた前田利家が、氷見のぶりを「お取り寄せ」している記録があるくらい、当時からそのブランドが確立していた!?

 

定置網漁法は、まき網や底引き網のように追いかけた魚をほとんどを取り尽くす漁法ではなく、集まってくる魚を待ち受け、網に入る魚の3割程度のみを捕獲する、資源を取り尽くさない資源管理型漁業として近年注目されています。


昨年(2019年)、初めて定置網漁の船に乗せていただく機会がありました(氷見ではなく同じ富山湾の新湊漁港)。網を引き上げる時間が長いことに驚いたのですが、ゆっくりと時間をかけて網を手繰り寄せていくことで、その間に小さな魚は逃げ、網の中にいる魚も逃げ惑わないので傷がつかずストレスがかからないのだそう。定置網漁で獲れたお魚が美味しい理由の一つです。

波の穏やかな日だったのですが、それでも船のへりの先は漆黒の海。一歩間違えたら、と船上で働いてもいない私ですら死と隣り合わせ、という恐怖を感じました。徐々に網の中に姿を見せる多様な魚たち。春先で「ホタルイカ」がたくさん獲れていて、網の中が青白く光ります。無数のカモメがそのおこぼれにあずかろうと群がる様も圧巻でした。


漁師さんが数匹のホタルイカをぽん、と私の手のひらに乗せてくれました。体の小さな斑点一つ一つが光っているのがはっきりと見えました。その光がだんだんと弱っていき、ついには光らなくなるのを見つめていたら、涙がこぼれてきました。

 

いろんな感情がこみ上げてきたのを今でも良く覚えています。命がなぜ尊いのか、その理由を私は知りません。けれど、手の中のそのいのちを私はとても愛おしく尊く思い、それを奪う罪深さと有難さと、そしてこんな風に命懸けで私たちのためにいのちを運んでくれる漁師さんたちのことを今まで知らなかった申し訳なさと。。


とか言いながら、港に戻って漁師さんが獲れた魚で作ってくれたお味噌汁に舌鼓を打つ私。やっぱりお魚美味しい。これまで以上に感謝していただこう。。

 

そして、このストアで取り扱っている美味しい氷見のお魚の加工品を手がけているのは、氷見漁港で70年以上にわたり魚の卸問屋を営んできた「松本魚問屋」さん。松本さんのご紹介を、と思ったらすっかり自分の定置網漁体験話が長くなってしまったので、前後編に分けさせていただきます!

 

というわけで、後編へつづく。

 

「水と匠」オンラインストア店長

林口砂里

 追伸:「水と匠」では、氷見の定置網漁の見学ツアーを実施しています。コロナの状況が落ち着いたら、体験しにいらっしゃいませんか?
 

*当ストアでは、松本魚問屋さんのお魚加工品を販売させていただいています。定置網漁で獲れた美味しく安全なお魚をどうぞお召し上がりください。

 

カテゴリー「海の幸」

https://store.mizutotakumi.jp/categories/2378206

 

*越中式定置網漁に関して、水と匠本サイト「STORIES」でさらに詳しくご紹介しています。ぜひお読みください!


「寒ブリを呼び込む天の恵み『越中式定置網漁』と氷見の魚が美味しい理由」

https://mizutotakumi.jp/stories/364/

 



水と匠 オフィシャルツアー

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富山県氷見市ツアー :定置網漁見学と朝セリ体験+漁師めし(5〜10月)

「天然のいけす」とも称され、多様な魚が水揚げされる富山湾。この豊かな海を舞台に、サスティナブルな(持続可能な)漁業として、世界からも注目を集める「定置網漁」を船上から間近で見学。漁師も利用する食堂で、市場直送の魚介を使った朝食を臨場感と共に味わいます。

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加賀藩前田家2代当主・前田利長公の菩提寺として、3代・利常公により建立された国宝・瑞龍寺。国宝に指定された七伽藍や美しい回廊などをご住職に案内していただき、境内地に佇むお茶室でお抹茶をいただく貴重なツアーです。

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砺波市の老舗酒造メーカー「若鶴酒造」は、北陸唯一の見学ができるウイスキー蒸留所も備えていて、見所満載。酒蔵敷地内のレストランで、富山の旬な食材を活かした夕食と地酒を、錫のマイぐい呑みとともに堪能していただきます。

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