ジャーナル

2020/08/08 19:46

富山は「ブラックラーメン」などカラーラーメンが有名ですが、全国的にはまだあまり知られていない美味しい麺が他にもあります。「氷見うどん」と「大門(おおかど)素麺」です。

 

私たちは子供の頃から馴染みのある麺で、夏も冬もよくいただきます。どちらも手延べで手間ひまをかけて作られているので、ぜひ全国の皆さまにもご紹介したいと、事業者の皆さんにお願いをいたしました。

 

あらためて両者について調べていたところ、なんとそのルーツが同じだった、という店長も初めて知る驚愕の事実が。。


氷見に現在のような手延べ製法による麺が伝えられたのは江戸中期、今から約270年前頃のことなのだそうです。当時、能登半島の輪島で加賀藩の御用素麺として作られていた「白髪素麺」がそのルーツとされています。

 

やがて、その製法がさらに富山の内陸に伝わり、砺波市の大門素麺となったのだそうです。その後、輪島の素麺は衰退し今では作られていませんが、当時の手延べの技は2つの麺に受け継がれています。氷見うどんも大門素麺も、生地を延ばしては熟成、また延ばす、を繰り返して細い麺にしていく作り方は同じです。


氷見うどんは油を使用せず、麺そのものの味を引き出しています。手打ちと同じように十分に練られた生地をカットせず延ばすうどんは、手延べの滑らかさと手打ちのコシが共存する稀有な麺となります。


大門素麺は、今も農家の方達が冬の農閑期に作っています。手延べした麺を、寒風吹きつける富山の冬の早朝から外に出して乾燥させる作業は、本当に大変だと思います。。



こうして出来上がった麺は、喉越しの滑らかさとしっかりとしたコシがあり、なんと言いますか、実直な富山の人たちが作った誠実さを感じるのは、私の贔屓目でしょうか。


「私は、美味しいものを作るだけ。
それ以上のことは何もありません。
ただ、伝統は守っていかなければいけないと思っています。」

 

大門素麺を代にわたって作り続けている黒田権一さんの言葉です。

かつては60軒以上あった生産者さんが今では、わずかに10軒ほどとのこと。こうした手延べの麺が食べられるのは、とても贅沢なことなのかもしれません。


皆さま、大門素麺を召し上がっていただく際の注意点が1点。大門素麺は、棒状ではなく「丸まげ状」と言われる形をしています。これも生産者さんたちが、まだ麺が乾ききらないうちに一つ一つ手で丸めているのだそうです。結局、最後まで麺を切ることがないのですね。ということで、そのままではとても長いので、茹でる前に手でパキンと割って下さいね。

 

夏にはどちらも冷やして、つるりとお召し上がり下さい。山下シェフによる氷見うどん、大門素麺のレシピ動画も公開しております。

 

コロナ禍に加え、猛暑が続く夏、どうぞ皆さまご自愛されて下さい。

 

「水と匠」オンラインストア店長

林口砂里