富山の自然と作り手

2021/12/23 22:31

水と匠では朝日新聞社Reライフと共同で地域の生産者と全国の消費者の手をつなぐ「全国手つなぎアクション」を立ち上げました。


山と水の宝庫・富山には、豊かな自然の恵みを生かし真摯に誠実にものづくりに取り組む作り手が数多くいます。

新型コロナウイルス等の影響を、知恵と工夫で乗り切ろうとチャレンジする生産者の皆さんの取り組みを一人でも多くの方に紹介することで、地場産業を応援する一助になりたいと考えています。


まず第一弾として、富山の産品を選りすぐって組合わせた「全国手つなぎアクション」オリジナルセットをご用意しました。「食べて応援」はもちろんのこと、富山で誠実に作られたものたちを通じて、お客様に楽しく豊かな時間をご提供できたらと思います。



富山県西部の白山水系・庄川の伏流水を使って酒造りを行うのは、江戸末期創業の若鶴酒造。

酒蔵としては珍しく、かつて越後流(新潟)と南部流(岩手)の2人の杜氏が互いに技を競い合っていました。越後流は淡麗と言われるスッキリとした味わい、南部流はずっしりと重い酒が特徴です。

この両方の酒造りを学んだ現杜氏・籠瀬信幸さんは、それぞれの良いところを取り入れる柔軟な発想で酒を醸し、全国新酒鑑評会金賞をはじめ数々の賞を受賞してきました。


今はコロナ禍で外飲みが減り、家でお酒を楽しむ機会が増えているため、好まれるお酒の味が変わってきたと感じているそうです。時代に応じて、より多くの人に愛される酒をいかにして作るか。最近誕生した20代の女性蔵人ら若手の感性を取り入れながら試行錯誤を続けています。


今回のプロジェクトでは、富山の豊かな自然と人々の技で育まれた逸品に合うお酒を籠瀬杜氏にセレクトしていただき、「地酒と富山の逸品セット」としてご紹介しています。


Reライフ×水と匠「手つなぎアクション」商品一覧(若鶴酒造サイトに移動します)



お酒を注ぐと、まるで万華鏡のように螺鈿の輝きが幾重にも広がるグラスは、富山県西部・高岡市の天野漆器のもの。

国の伝統的工芸にも指定され、およそ400年の歴史を誇る高岡漆器の技法の一つ、青貝塗りが施されています。青貝塗りとは螺鈿のことで、アワビなどの貝を0.1ミリの薄さにまで削り、漆で貼り付け装飾します。実は高岡は螺鈿細工の全国のシェア9割を誇る産地なのです。


青貝塗りはお盆や文箱といった贈答品が主流ですが、ライフスタイルの変化やコロナ禍の影響で需要は低迷しています。そんな中で、天野漆器の天野真一さんが現代の生活にあった新しい螺鈿製品を開発しようと挑戦したのが、ガラスでした。


ガラスは表面が完全に平らではないため、螺鈿をぴたりと貼り付けるには高い技術が求められます。さらに、通常の螺鈿細工と異なりガラスは透明なため、裏側の仕上げにも気を配る必要があります。グラスの内側はもちろん裏側も美しい青貝塗りには、職人技の粋が詰まっているのです。

華やかなグラスは、年末年始やお祝いの席にピッタリです。もちろん、1日の終わりにゆったりと晩酌を楽しむ際のお供にも。ゆらゆらと水面越しに見える螺鈿は、いつまでも見ていられる美しさです。

薄い木製の見た目とは裏腹に手にすると程よい金属の重みが心地よいぐい呑みは、高岡銅器の企画販売を行う四津川製作所のもの。

梵鐘や銅像などで知られる高岡銅器もまた国の伝統的工芸に指定され、およそ400年の歴史があります。


高岡銅器発祥の地で代々続く四津川製作所では、元将さん・晋さん兄弟が二人三脚で金属を際立たせる異素材と組み合わせたテーブルウエアを発表しています。ぐい呑みは、石川県の山中漆器とコラボレーションし、口に当たる木製部分を飲みやすいように可能な限り薄くしました。しかし、それでは軽すぎて器としての安定性を欠いてしまいます。そこで下部を真鍮にして重心を低く安定させました。木と金属を組み合わせる必然性を体現したぐい呑みです。


さらにプロダクトデザイナーの晋さんによるデザインは、洗練されシンプルでいて華やか。良いものを知る大人にぜひ手に取っていただきたい酒器です。


純米大吟醸とぐい呑みのセットはこちら (若鶴酒造サイトに移動します)


漁港から数キロで一気に1000メートルの深海に達する富山湾は、魚種豊富な「天然のいけす」です。

中でも「富山湾の宝石」と称される白えびは、深海にすむ体長約6センチの小さなエビ。水揚げ直後はガラスのように透明でキラキラと輝き、宝石と呼ばれるにふさわしい美しさです。


この白えびは世界中でも富山湾でしかまとまった量が取れないと言われています。

貴重な資源を大切にいただくため、新湊の漁師さんは「富山湾しろえび倶楽部」を立ち上げ、船を交代で半数ずつ操業させて、獲れたものは全体でシェアする「プール制」というサステナブルな漁を行っています。過度な競争や乱獲を防ぎ、資源を守っているのです。


「コロナ禍をきっかけに資源保護の大切さに加え、食べてくれる人がいるありがたさを痛感した」と語るのは「富山湾しろえび倶楽部」の縄井恒さん。せっかく水揚げしても需要がなく売値がつかない日々が続き、漁師の自分達にもっとできることがあるのではないかと改めて考えたそうです。そこで、新たに白えび漁を間近で見学できる観光船をスタート。船上だからこそ見ることができる水揚げ直後の透明な白エビの姿は、乗船客から特に好評だそうです。


白えびは、とろりとした食感と上品な甘さが特徴です。最もその味わいを堪能できるのがお刺身。一匹一匹丁寧に手剥きされた、手間ひまかかった贅沢なお刺身です。さらにこのむき身を富山の郷土料理・昆布締めにすると、白えびの旨味がぎゅっと凝縮され独特の味と食感に。ぜひ試していただきたい富山らしい味覚です。


地酒と白えびのセットはこちら (若鶴酒造サイトに移動します)



寒さが厳しい時期に旬を迎えるのが「富山湾の王者」寒ブリです。

産卵に備え、北海道沖から南下するブリは、脂が乗って丸々と太った状態で富山湾にやってきます。中でも最高級とされるのが氷見の寒ぶり。美味しさの秘密は、ただ富山湾が地の利に恵まれているからではありません。漁師や職人の皆さんの技と工夫の賜物なのです。


氷見の寒ブリは、魚体に傷がつきにくい定置網で水揚げされ、船上では氷水につけて仮死状態に。港で競り落とされると、職人がすぐに血抜き処理や神経抜きを丁寧に行い鮮度を維持しています。

氷見の老舗仲買・松本魚問屋で商品開発を担当するシェフの山下貴民さんは、この「トップ・オブ・寒ぶり」のしゃぶしゃぶを食卓でも味わってもらおうと試作を繰り返しました。


どうしても家庭でしゃぶしゃぶにすると、出汁の中に入れる時間が長くなり、身に火が通り過ぎてしまいます。

そこで、一切れ一切れを従来のぶりしゃぶのイメージよりもずっと厚切りに。出汁にくぐらせると中はほんのりレアな一番美味しい状態でいただけるように工夫しました。また、人気の高級魚のどぐろと食べ比べられるセットもご用意しています。


地酒とぶりしゃぶのセットはこちら (若鶴酒造サイトに移動します)


地酒とぶり・のどぐろしゃぶのセットはこちら (若鶴酒造サイトに移動します)



さらに、氷見のぶりを一年中美味しく食べてもらおうと山下さんが開発したのが「ぶりジャーキー」。

厚切りにしたぶりに燻製と乾燥を交互に施し、しっとりとした食感を残しつつ干し上げたジャーキーは、噛むたびに燻製の香りとぶりの旨味が口の中に広がります。ちょっと珍しい贅沢なおつまみです。

このぶりジャーキーに、北陸唯一のウィスキー蒸留所「三郎丸蒸留所」で作られた原酒をベースにブレンドしたクラフトハイボールをセットにしました。


ハイボールとぶりジャーキーのセットはこちら (若鶴酒造サイトに移動します)


◉朝日新聞Reライフ×水と匠特別企画「全国手つなぎアクション」(朝日新聞Reライフページ)

https://www.asahi.com/relife/article/14329831





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