2020/05/07 10:35
毎年この時期になると、田植えのために田んぼにいっせいに水が張られ、富山の平野に巨大な水鏡が出現します。雲や家や木々を映すその様は、特に朝陽・夕陽の時間帯が美しく、この季節の富山人のSNSタイムラインによくアップされます。(上の写真は今朝5/7の田んぼ。撮影はこのストアの写真撮影をしてくださっている田中祐樹さん)
富山県西側の砺波(となみ)平野には、日本最大の「散居村」が形成され、およそ220平方キロメートルに7,000戸程度が散在していると言われています。
散居は、その名の通り、広大な田畑の中に民家が散らばって点在する集落形態で、「アズマダチ 」と言われる伝統的な家屋が「カイニョ」と呼ばれる屋敷林に囲まれているのが、富山の散居村の特徴です。
その広大な水田に水が張られ、様々なものをシンメトリーに映し出す光景は本当に美しいのです。教科書にも載っている散居村の「写真」はよく目にしていましたが、実は私が実際に高台から初めて俯瞰して散居村を眺めたのはつい3年ほど前でした。思わず、「わぁ!」と声を上げるほど、その美しさに感激しました。
「人が作った景色がなぜこんなに美しく、心動かされるんだろう?」、自然の景色にはかなわないと思っていた私は疑問に思いました。私が師匠と仰ぐ地元のお寺のご住職が、その答えを教えてくれました。
「砺波平野には庄川と小矢部川という2本の大きな1級河川がたくさんの支流を作りながら山から海へと流れ下っていて、その支流から用水を引いて田畑を作る。その田畑を耕しやすいところに、風が通るように東向きに家を建てる(だから「アズマダチ 」)。そうやって、自然に逆らわず、自然のグランドルールに則って人が営みを築いているから」と。
そうか、自然と人が調和して、両者で一緒に作り上げた風景だから美しいのか、とストンと腑に落ちたのでした。
その砺波平野の庄川のほど近くで、ジュンブレンドファームさんはお米とお野菜を作っています。大坪洋介さんは、兼業農家の多い富山県の中で、専業農家として真剣に農業に取り組み、さまざまな新しいことにもチャレンジされています。お米だけで5品種も作っている農家さんは珍しいですし、6次産業化で「Jun Blend Kitchen」というカフェも営んでおられます。奥様の順子さんは宮崎県からお嫁に来られていて、彼女の地元の「チキン南蛮」(絶品タルタル付!)をはじめ、ご自分たちが育てた野菜や地元の農家さんたちのお野菜を使ったサラダやキッシュも人気のメニュー(上の写真はキッシュプレート)。
このコロナの状況が落ち着いたら、ぜひ大坪夫妻に会いにいらして下さいね。
この冬はほとんど雪が降りませんでした。それが今年の米作りにどう影響するのか、農家さんたち皆さん不安に思っておられます。今年のお米の様子もまたお知らせさせていただきますね。
「水と匠」オンラインストア店長
林口砂里
*当ストアでは、ジュンブレンドファームさんの「こしひかり米」を販売させていただいています。美しい散居村の景色の中、美味しい水で育ったお米をどうぞお召し上がりください。
ジュンブレンドファーム「富山県さんこしひかり」1kg(5kg、10Kgもございます)